侵略的外来植物・ナガエツルノゲイトウについて
ウシガエルやアメリカザリガニ、アライグマなど動的な外来種についてはメディアでも盛んに取り上げられていますが、植物についてはあまり目にする機会はないかと思います。
しかし植物のほうが根絶が難しく、深刻な被害をもたらす場合があります。オオキンケイギクのように花が美しいため、お花好きな人が種や株を自分の家に移植してしまって増やしてしまう、という悪い例も多々あります。
ナガエツルノゲイトウについては、農業被害(特に水田)が甚大になることから、三翠会としてその動向に注目しています。タゲリ米の里の脇を流れる小出川にはすでに定着してしまっており、月に一度定点撮影することで分布の観察をすることにしました。
◎ナガエツルノゲイトウ(長柄蔓野鶏頭、学名:Alternanthera philoxeroides)
ナデシコ目ヒユ科に分類される多年草の一種。南アメリカ原産。
現在では世界中に外来種として定着しており、「地球上で最悪の侵略的植物」と呼ばれることもあります。わずかに残る根や切れた茎から発根し、水面を覆いつくすように繁茂します。
在来種との競合や流れを堰き止めることから船の航行阻害、水害の引き金などが懸念されており、外来生物法により特定外来生物に指定されています。
これが水田に入り込むと一大事です。あっという間に水田を覆いつくし、稲の生育を阻害する危険性があります。小出川では、すでに川岸を覆いつくす様子が確認できます。
川岸に繁茂する緑の草がナガエツルノゲイトウ。
駆除は極めて難しく、シートで覆って光合成を阻害し繁殖できなくする方法や、とにかく取り去る方法が取られますが、わずかに残る断片からも繁殖するため、根や茎が付いていないか衣服、持ち物、車のタイヤまで確認することが肝要です。
疑わしいものは触らず、写真をとって専門家に報告するのが最善策です(どこに報告すればいいのか、詳しくは別ブログにて)。
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