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2025.9.20 定例のタゲリ米の里ラインセンサス調査

 朝夕の風は涼しくなり、ようやく秋の気配がしてきました。そろそろ渡り鳥が来る季節。伊藤洋平さんと、今回は草刈りの下見に障がい者施設「かたくりの里」の方が調査体験をしていただきました。

 田んぼは一面黄金色で、稲刈りが始まり、ところどころはざ掛けが見られます。そのため稲を食べにスズメが一番多いのもこの時期の調査の特徴です。


【九月は幼鳥が見られる】

 この時期は巣立った幼鳥が見られる時期でもあります。稲刈りが終わった田んぼには水がなく、ハクセキレイが多く見られました。写真は今年生まれの幼鳥です。僅かに顔の白い部分に黄色味があります。また、ハシボソガラスの幼鳥も確認できました。


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【九月は渡り、移動の季節】

 夏の間は繁殖地で子育てし、冬は暖地に移動していきます。

 移動のパターンは、シベリアや中国東北部など北の大陸から日本を越冬地として移動するパターンや、日本は通過して東南アジアやオセアニアにいくパターン。国内の北海道や東北、高地から日本の暖地を越冬地にするパターンや本州を通過し、南西諸島や東南アジアに行くパターンなどがあります。


 まずはキセキレイを発見。春夏は日本の高地の渓流にいますが、冬季は茅ヶ崎でも僅かに見られ、また南西諸島では多く越冬しています。キセキレイは小出川上空を少し旋回し、西に移動していきました。

 キーキーキーギチギチギチ・・萩園橋の下流から聞こえます。モズのメスの高鳴きです。茅ヶ崎には秋に渡ってきます。この声を聞くと秋の訪れを感じます。春まで居つく個体か、移動の途中に寄った個体なのかはわかりません。

 小出川ではカワセミが小さなコイ科の魚をくわえて食べようとしていました。タゲリ米の田んぼで生まれた魚たちかもしれません。カワセミは留鳥で一年中見ることができますが、冬に個体数が増える事がわかっています。北海道では夏鳥で、寒冷地のカワセミは暖地に冬は移動しているようです。



「あれはなんだ?サギの様だけど違う!」

 伊藤さんが叫びました。私が双眼鏡で確認すると、なんと【コウノトリ】でした。茅ヶ崎では初記録ではないでしょうか。2羽のコウノトリが移動していくのを確認。慌てて撮影しようとしましたが、カメラが固まりシャッターが押せず。電池を入れなおしたら起動して、何とか撮影することができました。


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 コウノトリは日本では絶滅しましたが、遺伝子の同じ個体をロシアから受け、兵庫県豊岡で人工繁殖し、野生復帰させています。それらがだんだん野生化で増え、各地に広がってきています。

 アオサギでも大きく見えますが、コウノトリはさらに巨大に見えます。アオサギ体長88~98cm 翼開長150~170cm、コウノトリ体長115cm翼開長195cmです。水田のドジョウなどを食べます。

 「鴻」という漢字のつく地名はコウノトリがいたと思われ、以前は日本各地に生息していました。タゲリ米水田には降り立ちませんでしたが、南から北に向かって高い空を移動していきましたので、海老名や相模原の水田に降り立ったかもしれません。


 小出川の中には早くもヒドリガモがいました。シベリア等で繁殖し、渡りの途中に立ち寄ったものと思われます。九月にヒドリガモの記録は初だと思います。オスですが、まだメスのような色(エクリプス)をしています。春に掛けてだんだんオスらしい明るい色に変化していきます。


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 そして最後に10羽以上のアオサギが一列になり高い空を移動していきました。アオサギも留鳥となっていますが、暖地へ移動する個体があります。


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 今回の調査では多くの移動する野鳥が記録されました。西久保の農耕地では静かに季節が進んでいます。

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